■人生を豊かにするエッセンス 6号 『失敗・ミスの捉え方』
◆失敗を責める国、ニッポン
私たちは小さい頃から、悪いことをしては叱られ、テストの点数が悪かったら
残念な顔をされ、スポーツの団体競技でミスをすれば仲間から責められ、
そして社会人になってもミスしては叱られる「失敗やミスを責める環境」の中
で育ってきました。
ゆとり教育の中では、先生や親から叱られる場面は少なくなったものの、
仲間の監視の視線は鋭く、ネット掲示板で責められ「人の目を気にしつつ」
生きることに変わりが無い状態です。
そんな中で育てば、誰もが「自分らしく」生きることに多少の抵抗を感じる
ものです。そして、仲間の様子を伺いながら、枠を外れることなく生きる術を
学ぶという「無難な」自分を作り出すようになってしまいます。
こんな消極的などんぐりの背比べでは、魅力のある人間になど、なれるはずも
ありません。特に学生にとっては「自分らしさって何なのか」の迷宮をさ迷い
就職活動どころでなくなる人も出てくるのです。
失敗を責めること自体は場面に応じてありえることですが、それをひきずって
レッテルを貼るのは良くありません（特に学生や社員の教育現場において）。
そして、失敗の後には「その失敗をどう生かすのか」を考え、実行することが
セットになって始めて効果が出てくるものです。
そうでなければ、ドンドン萎縮して「何もしないほうがマシ」と考えたり、
「どうせ自分は努力しても認めてもらえない」と投げやりになったり、
失敗やミスをしても「何も感じない」鈍感な人間に育ってしまいます。
そんな人間がビジネス社会、グローバル社会で活躍できるでしょうか？
できるわけがないですよね。
◆失敗の考え方・捉え方を転換させる
ということは、私たちはこの根強く心の奥底にへばりついてしまった、
「失敗への考え方・捉え方」をかなり意識的に方向転換させる必要が出てくる
わけです。
失敗をどう捉えるかというと、
1.失敗は悪いことではない、と理解する
（どんなに能力が高い人でも、失敗しない人はいないと考える）
2.この出来事が起こるということは、何かに気づかないといけないんだ、と
考える。ピンチという言葉をチャンスに置き換える。
3.次からどうしたらうまくいくかに頭を切り替える
（アラ探しではなく、判断と行動のマズさをどう変えるかに焦点を絞る）
4.次に似たシチュエーションが出てきたら、どうするのか？を考える
（横展開できるものはないか、真剣に考える）
を繰り返す、ということです。
エジソンも言っています。
「失敗？これはうまくいかないということを確認した成功だよ。」
「失敗すればするほど、我々は成功に近づいている。」
「失敗なんかしていない。うまくいかない方法を七百通り見つけただけだ。」
700通りってスゴイですよね。
何とも前向きで明るいメッセージだと思いませんか。
私たちの失敗への考え方は、小さい頃からずっと心の奥底にこびりついてきた
考えだけに、手放すのはなかなか難しいものです
（特に自分にネガティブなイメージを持っている人ほど）。
失敗やミスへの恐怖心が強く、ダメな自分という自己評価が当たり前なので
「自己批判」のベクトルを「判断と行動の改善」に向くように、紙とペンで
問題点を書き出したりして取り組んでください。
上記の1〜3を繰り返すことで、時間はかかりますが着実に自分を変えることが
できます。過去の呪縛に囚われる必要はないのです。
そうして、一度考え方が変わると、生きることが途端にラクになります。
何をするにしても「失敗したらどうしよう？」から「失敗したら改善すれば
いい」「まずはやってみよう」に変わるからです。
仕事だけではありません。スポーツや恋愛でも同じことがいえます。
根っからのネガティブマインドで成功できる方はほとんどいません。
人生がうまくいく人のほとんどはポジティブマインドです。
そして、ポジティブマインドは自分の手で作り出すことができます。
今日から早速「失敗は成功の素だ」と思って生活していきましょう！
発行元情報
著者：winnerz.co.ltd 一本 亮
現在、某企業の人事部所属。採用・教育担当。
過去10年にわたり、就職・転職・キャリアに関する研究と実践を実施。
これまでのノウハウを体系化した独自のキャリア教育論「CAESAR」等を
展開。学生や転職希望者の就職活動に大きく寄与している。
※CAESAR…Career education for satisfaction and raise
問合せ：winnerz.co.ltd@gmail.com
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