■人生を豊かにするエッセンス 8号 『感受性を豊かに』
◆現代社会の病的現象
携帯やネットなど情報伝達が爆発的に拡大、発達するにつれて、私たちは常に
「何かをしながら」生活を送るようになりました。
生活スタイルも24時間化し、昼も夜も関係なく、めまぐるしく動いています。
目前に起こることを処理するだけで頭は精一杯になってしまっているのです。
「休まる時間がない＝自律神経も異常をきたす」ので「うつ」も増える
のは当然です。
集中力も続きませんから、現実の世界が、まるでテレビを見ているかの
ように過ぎ去ります。
すると、何も感じない人間になっていきます。
例えば、周囲で人が悩んだり苦しんでもテレビのワンシーンとしか感じず、
受け流してしまって、相手に手を差し伸べることがありません。
そこに人間らしさはありますか？そんな人と一緒に仕事がしたいでしょうか？
◆「お祭りの傍観者」現象
この、ロボットのようになってしまうことを、
「お祭りに参加する人たちは楽しみ、周囲で見ている傍観者は冷淡である」
ことと似ていることから、「お祭りの傍観者」現象と私は呼んでいます。
お祭りに積極的に参加して楽しむのか、お祭りを冷淡に眺めて
無関心・無感情の中で冷ややかに過ごすのか。
どちらがその時間を楽しむことができるでしょうか。
（お祭りは、人生と置き換えていただければ良いです。）
お祭りの観客にとっては、仕事も流れ行く「作業」の一部でしかなく、
そうした仕事ぶりに「想い」「感情」は入りません。
そんな人は当然、良い仕事ができるはずもありません。
プロジェクトや人を動かせないからです。
この1〜2年で、面接をしていると、表情や感情に乏しい方が増えました。
頭で考えた、想いの無い自己ＰＲや志望動機は全く胸を打ちません。
そうした方に、「他社の選考状況はどうですか？」と尋ねると、
「数社受けていますが、どれも進んでいません。」と無表情で答えます。
このリアクションの無さ、オバケかロボットのような人は、言い方は
悪いですが、人事から見れば貧乏神か疫病神のように見えます。
会社は、商売をしているのです。
商売は、明るく笑顔に溢れ、人が寄ってくるからお金が集まってくる。
そういうものです。
◆「詰め込む」時代から「余計なものを入れない」時代へ
では、これから、私たちはどうすれば良いのでしょうか？
答えは簡単。
様々な情報媒体（特に携帯・テレビ・ネット）と自分とを切り離す
時間を作ることです。
忙しいからこそ、ゆったりとくつろぐ時間を作る。
余計な情報を入れず、親や友人、恋人と会って楽しい時間を過ごす。
なかには、ケンカや涙もあって良いと思います。
（そのほうが人間らしいです。）
その豊かな時間が感受性を磨き、あなたの「魅力」「人間力」「仕事力」を
培っていくのです。
ぜひ、臆せず携帯の電源をオフにしましょう！
発行元情報
著者：winnerz.co.ltd 一本 亮
現在、某企業の人事部所属。採用・教育担当。
過去10年にわたり、就職・転職・キャリアに関する研究と実践を実施。
これまでのノウハウを体系化した独自のキャリア教育論「CAESAR」等を
展開。学生や転職希望者の就職活動に大きく寄与している。
※CAESAR…Career education for satisfaction and raise
問合せ：winnerz.co.ltd@gmail.com
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